yakult.kogo.jpg2001年(平成13年) 日本シリーズ
「ファンの皆様、優勝、おめでとうございます!」日本全国が大爆笑の、若松監督のコメント。ネタのつもりか、単なる興奮してか?

●ヤクルト対大阪近鉄バッファローズ

第1戦 10月18日(土) 大阪ドーム

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 = R
ヤクルト 0 1 0 0 0 3 0 1 2 = 7
近鉄 0 0 0 0 0 0 0 0 0 = 0
○石井一 1勝(8回)→河端(1回)
●パウエル 1敗(6回)→関口(1回)→柴田(2/3)→愛敬(1回)→前川(1/3)
*本塁打:
ヤクルト/ラミレス1号(パウエル) 古田1号(愛敬)
近鉄/ なし
先発は荒れ球が持ち味とは言え、やや立ち上がりに不安を持つ左腕石井一久だ。例によって初回に四球で走者を出して55本塁打のローズ、46本塁打の中村を迎えるピンチ、そこを何事もなかったように切り抜けると、あとは石井の独壇場だ。6回まで無安打、8回まで12奪三振と近鉄いてまえ打線を寄せつけない快投だ。打つ方も2回に岩村の二塁打で先制、6回にラミレスの3ラン、8回表に古田のソロホームランと下位打線で着々と加点。 9回表に真中の2点適時打でダメ押し。石井一の後を河端が押さえて0封。ヤクルトの強さが出た初戦だった。

第2戦 10月21日(日) 大阪ドーム
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 = R
ヤクルト 0 1 2 1 1 1 0 0 0 = 6
近鉄 0 0 0 1 1 4 0 3 × = 9
藤井(5回2/3)→島田(0)→山本(1回1/3)
●五十嵐 1敗(1回)
岩隈(2回1/3)→関口(0)→山村(1回2/3)→前川(1回2/3) →三沢(2回)→
○岡本 1勝(1/3)→大塚 1S(1回)
*本塁打:
ヤクルト/真中1号(山村)
近鉄/中村1号(藤井)、水口1号(島田)、
ローズ1号(五十嵐)
近鉄いてまえ打線のお株を奪うかのように、2回に土橋の内野安打、3回に稲葉の二塁打と岩村の押し出し死球、4回に真中の本塁打で着々と点を重ねて4点をリード。しかし公式戦最多勝の左腕藤井は序盤は0点に抑えていたがピリッとしない投球だ。4回に中村にホームランを打たれてから本家いてまえ打線の長打攻勢が始ってきた。 5回裏にローズの犠飛。6回裏に大村の適時打でまた1点。とじりじり近鉄がヤクルトのエースを捕らえてきた。ここで若松監督は藤井を諦め島田に交代、これが裏目に出て水口に3ランホームランを打たれて同点に追いつかれてしまう。押され気味の8回裏、五十嵐の速球をローズが鮮やかに3ランホームラン!近鉄抑えの切り札、大塚に9回を三者凡退に押さえられてヤクルト1勝1敗のタイで東京へ戻った。

第3戦 10月23日(火) 神宮
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 = R
近鉄 0 0 0 0 1 0 1 0 0 = 2
ヤクルト 2 0 0 0 4 3 0 0 × = 9
●バーグマン 1敗(4回)→香田(1/3)→関口(1回2)→盛田(1回)→柴田(1回)
○入来 1勝(5回)→ニューマン(2回)→石井弘(1回)→河端(1回)
*本塁打:
近鉄/ なし
ヤクルト/真中2号(香田)
近鉄からヤクルトに移籍してシーズン10勝をあげた入来が注目の先発。気合が空回りしないようにボールが続くとセットポジションから投げるなどかっての古巣に対してあくまでも冷静なピッチングだ。打線も入来の気合いに応えるように1回裏に四球、犠打、暴投、稲葉の犠飛と無安打で1点。さらに四球のペタジーニが盗塁、古田の適時打で2点目と無駄のない攻撃で3試合連続の先取点。しかし5回に入来を近鉄打線が捕らえる、公式戦ではDHだった川口が代打で適時打を放ち1点差。なお一死一・二塁、ここで入来が気力で二者を連続三振に打ち取った。 2回以降ヤクルト打線を抑えていたバーグマンだが、DHのない日本シリーズでは、代打による投手交代がある。バーグマンガ引っ込んだことでヤクルトが息を吹き返した。好調真中がシリーズ2号の2ランホームラン、ペタジーニ、岩村の二塁打で一気に4点。 6回裏にもペタジーニと古田の連続適時打で3点を取り、試合を決定付けた。抑えの高津を投入する事なくヤクルトの完勝。

第4戦 10月24日(水) 神宮
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 = R
近鉄 0 0 0 1 0 0 0 0 0 = 1
ヤクルト 0 0 0 0 1 0 1 0 × = 7
前川(5回1)→●岡本 1勝1敗(1回)→柴田(1回)→三澤(2/3)
前田(6回)→○ニューマン 1勝(1回)→河端(1/3)→山本(2/3)→高津 1S(1回)
*本塁打:
近鉄/ローズ2号(前田)、
ヤクルト/副島1号(岡本)
両チームとも、後半は不調だった左腕投手が先発。 前田は立ち上がりの初回、、一死二塁で3番ローズのピンチを迎えたが、巧みな牽制球で二塁大村をアウトにして調子に乗った。しかし4回表二死からローズに初球をバックスクリーンへ打たれ、近鉄にこのシリーズ初めての先制を許した。 ヤクルト打線も前川から走者を出すもののなかなか本塁へ返せない、状態が続いた。 5回裏にようやく宮本の適時打で同点に追い付く。続く6回裏の無死一・二塁のチャンスを逃して流れが近鉄へ。 7回表にローズへの四球と盗塁で一死二塁のピンチ。ここが勝負所だ。が、二塁ランナーのローズがピッチャーの牽制動作につられて三塁へスタートしてしまい三塁憤死。ここでまたヤクルトに流れが変わり、直後の7回裏に代打の副島がレフトポール際ぎりぎりにホームランして勝ち越した。近鉄は再三の走塁ミスが大きく響いた。当然ヤクルトは最終回、日本シリーズ無失点の高津が登板。今シリーズ初登板だが危な気なく、いてまえ打線を3者凡退に押さえた。4戦目でヤクルトが日本一に王手。

第5戦 10月25日(木) 神宮
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 = R
近鉄 0 0 0 0 2 0 0 0 0 = 0
ヤクルト 3 0 0 1 0 0 0 0 × = 4
●パウエル 1敗(1回)→柴田(1回1/3)→三澤(2/3)→バーグマン(2回)→前川(./32)→岡本(1回)→大塚(1回1/3)
ホッジス(4回2/3)→ニューマン(1/3)→河端(1回1/3)→○山本 1勝(1回2/3)→高津 2S(1回)
*本塁打:
近鉄/ なし
ヤクルト/なし
王手のヤクルトは石井一を温存して先発ホッジス。後がない近鉄は第1戦の先発投手パウエルの、外国人投手対決。 1回裏に稲葉の適時打、岩村の2点適時打でいきなり3点を先取してヤクルトが主導権を握る。 近鉄は早め早めの投手交代で、必死の防戦。 4回裏に稲葉の二塁打で1点を追加し、その差が4点となる。勝ちを意識したかホッジスは5回表に球が浮き出して二死満塁のピンチ。ニューマンに交代、だが近鉄ローズに2点適時打を打たれる。なおも続くピンチをなんとかふんばって中村を打ち取り、2点差で後半へ。 近鉄のめまぐるしい投手交代に追加点を奪えず重苦しい展開で回が進む。近鉄も連投のヤクルト河端と山本から点が取れない、そのまま9回、ヤクルト抑えのエース高津に繋いだ。高津は4度の日本シリーズ出場で通算防御率は0.00。つまり1点も取られた事がないのだ。近鉄、最後のバッターの高々と上がったキャッチャーフライを古田がキャッチしてヤクルト4年ぶりの日本一が決定。 ケガで出場すら危ぶまれていた古田は、いてまえ打線を沈黙させる抜群の投手リード、打っては打率5割で出塁率は6割8分2厘。文句なしで2度目のMVP獲得だ。

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シリーズ成績(ヤクルト・スワローズ)       
打撃成績試合打数安打 打率HR打点投手成績試合S防御率投球回三振
古田 5 14 7 .500 1 3 石井 一 1 1 0 0 0.00 8 12
ホッジス1 2 1 .500 0 0 河端 4 0 0 0 0.00 32 1
宮本5 19 9 .474 0 1 山本3 1 0 0 0.00 3.2 1
岩村 5 19 9 .450 0 5 ニューマン 3 1 0 0 0.00 3.1 0
ペタジーニ 5 16 6 .375 0 4 高津 2 0 0 2 0.00 2 1
副島 3 3 1 .333 1 1 石井弘 1 0 0 0 0.00 1 0
真中 5 19 6 .316 2 5 前田 1 0 0 0 1.50 6 5
土橋 5 16 4 .250 0 4 入来 1 1 0 0 1.00 5 6
稲葉 5 20 4 .200 0 1 ホッジス 1 0 0 0 3.86 4 .2 5
ラミレス 5 18 3 .167 1 3 藤井 1 0 0 0 7.94 5.2 2
飯田 5 9 1.111 0 0 五十嵐 1 0 1 0 27.00 1 1
前田 1 2 0 .000 0 0 島田 1 0 1 0 ---- 0 0
小早川 5 7 0 .000 0 0 投手成績5 4 1 1 2.66 44 39
ニューマン 3 1 0 .000 0 0
山本 3 1 0 .000 0 0
池山 2 2 0 .000 0 0
入来 1 1 0 .000 0 0
河端 1 1 0 .000 0 0
打者成績5 152 26 .317 5 27



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