映画の傍役ながら強烈なインパクト/シトロエンSM

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『ロンゲスト・ヤード』74.AMERICA

longestyard.jpg元フットボール選手だったツバメ君は、女に食わせてもらって、お小遣いももらうスーパジゴロだ。
浮気っぽいツバメ君は、女のシトロエンSMを駆って、次の女を探しにいくところから物語が始る。

それを窓から観ていた、女。彼女のカンは、ツバメが新しい女のとこへクルマごと逃げ込むと推測した。直ぐに警察に電話して「人殺しでドロボー!!」呼ばわりする。
それを聞いた警察は、凶悪犯が逃走中と町中のパトカーに逮捕令をだす。
後は、シトロエンとパトカーが街を破壊せんばかりにカーチエイス。
最後は捕まって、窃盗、器物破損、公務執行妨害などなど10以上の犯罪を犯した事になり、刑務所行きとなる。
刑務所で、青春に目覚めたツバメ君は、元フットボール選手の肩書きを生かして、スポ根する------。

主演はバート・レイノルズ。

frontocaver.jpgここで冒頭に登場するのが「シトロエンSM」。
この映画にふさわしいのか?単なる監督の趣味か?
いずれにせよ、シトロエンSMが登場する事で、その持ち主(この場合、ジゴロを飼う女)のディテールが想像できる。きつい眼に濃い化粧。スタイルは抜群にいい。ベッドでも誰よりも情熱的だ。江戸時代のキセルみたいなのに フランスタバコを差して、小指を立てながら吸う。そんな女だ。

interior1.jpg気性は荒い。高いベネチアグラスも平気でタタキ割る。泡ぶくぶくのバスタブに寝そべって、ツバメ君に肩を揉ませる、次は足、そのうちに泡をツバメの頭から乗っけてきゃははは、なんて喜んでる。そんな、日常を鮮明に想像させるのがシトロエンSMだ。

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riarview.jpg2005年現在のシトロエンは、淑女を目指しているが、「シトロエンSM」をリリースした頃のシトロエンは違う。どう考えてもシトロエンは悪女だった。特に、マセラッティが開発したV6ツインカム(4カム)の2.7リッターエンジンを搭載することで、最高速が220km/h。0〜400m、16.2秒、0〜1km、29.9秒。そして0〜100km/h加速が8.9秒。の性能を手に入れたこのクルマは、かっての短距離ランナー、ジョイナー女史なみに悪く?なった。

enginenumberplate.jpgFFでどれだけ馬力が吸収できるかのテストだ。と当時のシトロエン開発陣が云う。380馬力までOK! ワインを飲みなが技術陣は答えた。スポーティでなければクルマの未来はない。オペラの主人公のように開発陣は身ぶり手ぶりで観客に云う。ここで舞台は暗転。
マセラテイの首脳陣が上手から出てきて、スポットライトが照らす中、プレステージ性が高くなければ我ら協力できない。と大声を張りあげる。
そうだ、スポーテイでプレステージ性だ。マセラテイ首脳陣とシトロエン開発陣が合唱しながら出てきて、舞台が明るくなる。
スポーテイのsにマセラティ社のMを加えて、シトロエンSMだ。

かくして、1970年、シトロエンSMが、かの地に誕生した。



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